廃棄されていた陶土と紙資源を使った新しい有田焼
有田焼は、1616年に有田町の泉山で「陶石」が見つかったことからはじまり、400年以上の歴史を持ちます。コメダ珈琲店のお馴染みのカップも、有田焼を使っています。
しかし有田焼産業は、2010年代にはピーク時(1990年代)の約10分の1にまで売上高が落ち込んでしまい、「受注減」「後継者不足」「資料の枯渇」等の様々な問題を抱えています。


有田焼は白く滑らかな肌触りが特徴ですが、そのような質感を生み出すための陶土を精製する過程で、400年近くも区分され廃棄されていた「珪(けい)」と呼ばれる成分があります。
「珪」は陶磁器に求められる基準から外れたという理由だけで、役割を与えられないまま年間300~400tも廃棄されてきました。 
長年廃棄されていた「珪(けい)」
「資源の枯渇」が問題となる中、その「珪」を、陶土として再利用できないか、と考える中で生まれたのが株式会社東洋セラミックスが開発した「NEO CLAY®️」です。「珪」だけでは粘性が足りず成形ができませんが、「珪」を細かく粉砕し、粘性を上げるための土などを混ぜることにより成形可能な陶土に生まれ変わらせることに成功しました。

今回はこの「NEO CLAY®️」に使用後の紙資源や未利用の間伐材から紙糸を制作するプロジェクト「TSUMUGI」の紙糸になる手前の状態である「パルプ」を顔料の一部として施す形で、「NEO CLAY®️×TSUMUGI」のオリジナルシリーズを開発しました。
この取り組みを通して、廃棄されていた「珪」や紙資源を有効活用できる新たな食器の形を提案していきます。また「アップサイクル×有田焼」という新しいアプロ―チを通して、より多くの方に有田焼の文化を知っていただき、有田焼の文化継承にもつながる取り組みを目指していきます。

販売商品
有田焼は通常、釉薬を塗り白くなめらかな質感に仕上げることが特徴ですが、今回はあえて釉薬を塗らず、「珪」独特のざらっとした質感を楽しめる製品となっています。
各アイテム、麻乃葉模様(ベージュ)、若葉模様(ピンク)、 手描墨絵唐草模様(アイボリー)の3デザイン展開となります。
デザイン

麻乃葉模様
麻乃葉模様は、古くから「健やかな成長」「無病息災」を意味する模様として使われてきました。陶土のアップサイクルの活動が、今後の有田焼文化の継承、また更なる発展に繋がっていってほしいという思いを込めています。
シックな色合いで、和・洋を問わず日常に馴染みやすいデザインです。

若葉模様
春に芽吹く若葉をイメージした柄を、桜のような淡いピンクにあしらいました。はじまりの季節である「春」をモチーフにしたデザインは、陶土のアップサイクルという有田焼文化の新しいスタートを意味しています。
近年、器の人気色とも言われているピンクの色味に、白い若葉の柄がレースのようにも見える可愛らしいデザインです。

手描墨絵唐草模様
唐草模様は古くから有田焼の柄として多く使われてきた模様です。蔓草の生命力の強さから、「繁栄」や「活力」などの意味を持ちます。
有田焼の守るべき部分はそのままに、アップサイクルという新しい要素も取り入れながら、蔓草のように強く長く有田焼の文化が続いていくようにという願いを込めています。